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永久は集う 連稜院 葵桜
声が聞こえた
あの日私を呼んだ声が
答えようと口を開く
刹那
初夏の風のように
暖かさを残し胸を去った
声が聞こえた
あの日私を慈しんだ声が
触れられまいかと手を伸ばす
刹那
嵐の夜の暴風のように
この身に大きな爪痕を残した
声が聞こえた
何を言っているのだろう
私の知らない言葉のようだ
傷つくまいと耳をふさぐ
刹那、
私を今
呼ぶ声があった