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机上の王    連稜院 葵桜



紙の上を走る線
今はまだ線でしかないそれは
この手と頭で言葉となる
生れ出た言葉は意味を成し
さらなる言葉を連れてくる
生まれくる言葉
削り取る言葉
この瞬間は私が王
己が意を操り
意を満足させるべく
机上の戦いを繰り広げる
書き上げるとは
己が内での戦いである
勝利とは
敗北とは
その条件すら不明瞭に
ただ王者は筆を走らせる
この瞬間、王であるために


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